イントロダクション
イメージフォーラム・シネマテークでは、映像作家 南俊輔による新作インスタレーションの展示を行います。
南はこれまで、フィルム映写機などの映像機材や映写技師による映写の工程など、映画周辺の環境に着目し、映像やインスタレーション、ライブパフォーマンスなどを通して作品制作を行ってきました。
本展は、2つの要素によって分けられます。1つ目は、映画の構造をテーマに制作した、ビデオカメラで映写機内部を通過するフィルムの様子をライブ再生する作品とデジタルスキャンした8ミリフィルムをビデオモニターで再生する作品です。
2つ目は、映画前史のファンタスマゴリア*のような、素朴な仕掛けによって観客の想像力を掻き立てる装置としての作品です。映写機の光とゆっくり回転するシャッターによって生まれる影の演出、映写機から再生される音が空間を満たし、ある種の解放感を出現させます。
* 18世紀末に流行したスライド投影機のマジック・ランタン(幻灯機)で幽霊を投影して観客を驚かせるホラー・ショー
スクリーニング&トーク
ゲスト: 磯部真也(映像作家)
日時: 12月18日(土)18:30 - 20:00
入場料 1,000円(展覧会鑑賞料を含む)
※上映作品等の詳細、予約はこちら→予約サイト
※上映準備のため当日は18:00から会場内の作品鑑賞ができなくなります。
南俊輔
1985年北海道石狩市生まれ、2016年に北海道教育大学大学院 教育学研究科を修了。現在は東京を拠点に活動中。映写機という装置そのものや映写技師による映写の行程など、映画周辺の環境に着目し、映像インスタレーションの制作やパフォーマンスを行っている。近年はスライド映写機を素材にした作品を制作し、映写機の持つ本来の機能やその意味を分解・再構成し、映像の合成や変換を試みる「実験」を行う。近年の主な活動に、2021年グループ展『暗くなるまで待っていて』(東京都美術館, 東京)、2019年個展『4分25秒の映画』(玉川大学大学3号館102展示室, 東京)、2017年グループ展『さっぽろアートステージ2017』(札幌駅前通地下歩行空間チ・カ・ホ, 札幌)などが挙げられる。
作家webサイト:https://www.shunsukeminami.com