イントロダクション
東京フェイクドキュメンタリー映画祭は映像芸術の更なる可能性を探るべく、2020年に誕生。
フィクションをドキュメンタリー風に撮影した劇映画や、事実と虚構を混在させた映像の上映を行なってきました。
第4回の開催となるとなる今回は、7本の短編作品を上映。
"フェイクドキュメンタリー"といっても作風はコメディから実験映像まで様々です。
現実と虚構の境を旅する3時間!
作品紹介
里山お宝ノスタルヂア 監督:鈴木ゴモラ / 15分 / 2024
主人公・里牧さんの仕事は「里山で成人向け雑誌の管理すること」。キャリアはなんと20年。雑誌の発行部数が減るなか、彼は自らの職業をどう捉えるのか。時代が変わっても消えることのない情熱が、スクリーンから溢れ出る。
鈴木ゴモラ:千葉県出身。ゲーム制作を主な活動としながら、舞台、芝居や映像作品などを手掛ける。自主映画の制作は学生時代にサークル活動として始めたもので、おおよそ十五年ぶり。ジャンルの垣根を越えた演出や創作表現を目指している。
配信テスト中の来訪者 監督:池戸夏海・志賀鳳 / 8分 / 2023
若者3人はネット番組の配信準備中。すると家のチャイムが鳴り、謎の声が聞こえてきて、玄関をノックする轟音も鳴りはじめる。恐怖に怯えて耳を塞ぐ若者たち。そのうちの1人が、カメラを持って玄関に向かうが――。
監督グループ:グループ名「お茶か炭酸水」として、酒本大・池戸夏海・志賀鳳の3人で、2019年頃から映像制作を行っている。作品は主にYoutubeで公開。日常を切り取った動画や生配信なども行っている。個々では俳優として活動中。
「フミカの夢日記」上映後トークイベント 監督:山科晃一 / 28分 / 2024
新作映画の舞台挨拶の記録映像。監督、役者、観客が1本の作品について語り合う。映画の主人公・フミカが劇中で見た夢とはなんだったのか――。一人ひとりの言葉の積み重ねが、我々がまだ未だ見ぬ映画に輪郭を与えていく。
山科晃一:1991年兵庫県神戸市生まれ。テレビ局勤務後、2019年東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻修了。映像制作会社、広告制作会社を経て、映画監督・脚本家・小説家・アーティストとして活動中。
工場の退職者 監督:榛原亮 / 25分 / 2021
ある工場の取材記録。ベテラン職人は「ウチの良さはチームワーク」と語るも、いろいろ問題がある模様……。はつらつとした雰囲気で始まった取材は、事件勃発で予期せぬ方向へ。そして訪れる、ひとりの若手職人の絶望と希望。
榛原亮:2018年頃に映像演技のワークショップやエキストラに参加。カナダのモキュメンタリー形式のシチュエーションコメディ『トレーラー・パーク・ボーイズ』に影響を受け、『工場の退職者』を製作。
潜龍用うる勿れ 監督:ぬくまるあお / 6分 / 2024
「田中」を名乗る1人の女性のセルフドキュメント。木々に囲まれた古いマンションに入った田中氏は、汚れた壁を歯ブラシで丹念に磨き、邪気の浄化を試みる。田中氏の"自撮り"を通し、私たちは彼女の人生と心の内に触れていく。
ぬくまるあお:1973年生まれ。廃墟や小劇場の演劇活動やフィルム時代のシネコン映写スタッフを経て、10代から『映画を撮りたい』という夢が捨てきれず五十路前にしてその夢を実現すべく映画制作を開始。独自の視点で映画世界に挑む。
映画、Kの場合 監督:金丸知樹 / 24分 / 2024
部屋で机に向かい、紙に「映画」の画を描き始めた主人公。カメラは彼を映し続け、画は彩りを増していく。やがて画面には別の映像が映し出され、変容が始まる。映像が氾濫する世界のなかで、「映画」を問うた主人公の記録。
金丸知樹:2023年武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科卒業。第二回茨木映像芸術祭審査員特別賞受賞。主に絵画と映像を制作している。
浅野とPeaceと雨 監督:伊藤啓太 / 4分 / 2018
時は平成の終わり。久々に旧友と顔を合わせた主人公は、卒業した小学校の閉校を知らされる。カメラの前で語り合うからこそ、癒される喪失。移りゆく社会でも、不変の幸せはきっとある。平和であれば、元号なんてどうでもいい。
伊藤啓太:スタントマンや映像制作のスタッフなど、興味のままにを活かし生きて来ました。現在は、体操教室でインストラクターをしながら、作品制作を行っています。