国内外の映像アート作品の上映、レクチャーを定期開催。古典的名作 から、最新の実験映画まで

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皆既日食 イスラエル ビデオダンス作品集
 オハッド・ナハリンの世界
現代イスラエルを代表する舞踊団として、国際的にも高い評価を受けているバットシェバ・ダンス・カンパニー。欧米で振付家として活躍してきたオハッド・ナハリンが90年に芸術監督に就任してから、バットシェバ・ダンス・カンパニーは一躍世界中の注目を浴びるようになる。彼らの舞台『サボタージュ・ベイビー』を題材に、孤独な女性の内なる情動をえぐり出したアート・ドキュメンタリー仕立てのドラマが、『皆既日食:オハッド・ナハリンの世界』である。
バットシェバ・ダンス・カンパニーに興味のある人は、何よりもまずオハッド・ナハリンが語る言葉に大いに興味をそそられるだろう。双子の兄弟として生まれた自分と弟との逸話、『サボタージュ・ベイビー』を巡るエピソード、そして彼の内面から発せられる自問の様なセリフに、バットシェバが身体化してきたダンスを介した観客とダンサーとのコミュニケーションや、閉ざされた自我からの解放といったモチーフを確認できるに違いない。スローモーションで動くダンサーたちの動きは、個体としての肉体が崩れ去る寸前のような痛みと解放感を、同時に体感させてくれる。また、ナハリンの語りやパフォーマンスと絡み合う、ナハリンと女性との恋愛というドラマからは、愛とコミュニケーションというテーマがナハリンのダンスの根本にあることを明快に読み取ることができるだろう。
監督のシュムリク・マオーズは、テルアビブのベト・ツヴィ大学で舞台芸術と映画を学んだ後、劇映画やテレビドラマの世界で美術の仕事に携わってきた。第1回のイスラエル映画祭で上映されたグル・ヘレル監督の『風のなかの天使たち』(92年)でも、美術監督を務めている。94年以降は、多くのコマーシャルやビデオクリップを手がけている。(「第5回イスラエル映画祭カタログ」より)

Bプログラム作品解説
すみれの唄●脚本はルイス・キャロルの童話「不思議の国のアリス」をヒントに考案された。物語はバットシェバ・ダンス・カンパニーのスタジオがあるテルアビブ近郊の歴史地区を舞台にしている。

メッセンジャー●バイク・メッセンジャーの青年が主人公。配達先で様々な出来事に。

ロコモティバ●3人の登場人物が人間関係を模索する。駅を舞台にしたビデオダンス。

トレモロ・トレモロ●98年にホアキム・サバテによってバットシェバ・アンサンブルのために振付された作品を、オデット・ロタンが舞台をオレンジの梱包作業場に移し、ダンサーたちを労働者のいでたちで登場させている。サバテはダンスの楽天的な快活さを「声は喜びに溢れた劇場を探している。劇場は音楽から逃げ、音楽は予測できない動きを包み込んでいる」という言葉で表現している。

南東●リー・ヤノールは振付家のベルナルド・モンテットをスーパー8ミリカメラにて撮影した。おだやかな午後、場所は地中海南東部の海岸で聖書にも登場する港町ジャッファ。カメラを回す音が踊り手の呼吸と一体となっている。マリアンジェラ・ガルティエリの詩をイタリア語で朗読する声が聞こえる。しかし踊り手は動かない。それはあたかも、踊り手が呼吸しているのではなく、フレームの中のイメージ(画像)そのものが呼吸しているかのようにみえる。

ピナのコーヒーブレイク●リー・ヤノールはテルアビブとパリの2都市を拠点に活動する写真家・映画監督。彼女が初めてピナ・バウシュに会ったのは1993年、パリのデ・ラ・ヴィレ劇場近くにある“カフェ・ミストラル”。この出会いが、後にヨーロッパを舞台に展開するシリーズの発端になる。このビデオは2002年6月中旬の一週間にパリで撮影された。個人的な視線でとらえたピナワールドのポートレイト。この作品は、去る1月にポンピドーセンターの“ビデオダンス2003”というイベントでも上映された。

作品提供:イスラエル大使館
協力:(財)国際文化交流推進協会(エース・ジャパン)

ロコモティバ
皆既日食
受付(各回入替制)
当日900円/会員600円/2回券1500円

■Aプログラム 皆既日食
皆既日食:オハッド・ナハリンの世界
シュムリク・マオーズ/ビデオ/50分/2001
オハッド・ナハリン振付「サボタージュ・ベイビー」より
パフォーマンス:バットシェバ・ダンス・カンパニー
オルカタール・アムステルダム
製作:ウディ・カリンスキー

■Bプログラム ビデオダンス作品集
すみれの唄 ルツ・ウアルク/ビデオ/14分/1995
脚本・振付・舞台監督:リオネル・ホッシ
音楽:コラージュ
製作:バットシェバ・アンサンブル
(在イスラエル仏大使館文化部およびAFAAの支援による)
メッセンジャー
ガブリエル・ビビオビッチ/ビデオ/11分/1995
振付:ララ・バルサック
製作:バットシェバ・アンサンブル
ロコモティバ
オデッド・ロタン/ビデオ/12分/1998
振付:ニヴ・シェンフェルド
音楽:トム・テラリム
製作:サムシュピーゲル・テレビ映画学校(JSFS、エルサレム)
トレモロ・トレモロ
オデッド・ロタン/ビデオ/12分/1998
振付:ホアキム・サバテ
音楽:ホアキム・サバテ
製作:サムシュピーゲル・テレビ映画学校(JSFS、エルサレム)
南東 リー・ヤノール/ビデオ/13分/1998
出演協力:ベルナルド・モンテット
詩:マリアンジェラ・ガルティエリ
ピナのコーヒーブレイク
リー・ヤノール/ビデオ/17分/2002
出演協力:ピナ・バウシュ

 

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