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2004/3/28、4/2、4/4
ヴァンダの部屋
ビデオ・インスタレーション


「誰にでもこの世界に自分の場所があるだろう。ここがヴァンダの場所なんだ」ーーペドロ・コスタ

シアター・イメージフォーラムでの公開を記念して、映画『ヴァンダの部屋』のビデオ・インスタレーションの展示を行います。
"聖なる廃虚" フォンタイーニャス地区と"濃密な時間"の流れる3m四方のヴァンダの部屋の様子を、2つのスクリーンで同時に投影します。線的に編集された映画版と共に、ペドロ・コスタの冒険的で真摯なカメラ・アイを体感して下さい。激しく咳き込むヴァンダ、解体される家々、見捨てられた人々の何時終わるともしれない喧嘩・・・ 美しい音響ノイズにさえ聞こえる室内外のサウンドトラックも、ここでは同時に再生されます。
エンドレスの展示形式ですので、ふらっと立ちよって、好きなときに出ることができます。劇中のパンゴの様に。

ペドロ・コスタ、驚くべきインスタレーション
上映されるインスタレーションは、世界の至る所の、人々の住み家を横切るような感覚を次々に呼び起こす。映画の舞台とはどこか?それは私たちの見たことのない光景が写されるあらゆる場所である。例えば、ヴァンダの部屋だ。
ペドロ・コスタの映画のインスタレーション版は、フィルム版をまばゆい色彩において凌いでいる。また二つに分割されたスクリーンは、部屋の中(ヴァンダがヘロインで陶酔<d伺onc&amp;amp;amp;amp;gt;している)と部屋の外(フォンタイーニャス地区がパワーショベルによって破壊<d伺onc&amp;amp;amp;amp;gt;されている)の間に痛ましい韻をもたらしている。外では、雪が降っている。
(フィリップ・アズーリ/カイエ・デュ・シネマ2003年3号より)

●映画『ヴァンダの部屋』について
世界各地の映画祭で上映される度に、熱狂的な支持を得、劇場公開が熱望されていた、本作の監督はペドロ・コスタ。オリヴェイラ、ストローブ=ユイレが自らの後継者と断言するポルトガルの若き奇才。2000年のポルトガル映画祭で前作『骨』が紹介され、驚きをもって迎えられた。その続編ともいえる『ヴァンダの部屋』における人々の日常をとらえ、一度も動くことのないカメラは、小津安二郎の映画を連想させ、ペドロ・コスタ自身も、小津からの影響を公言している。
シアター・イメージフォーラムにて3月より"言葉を奪い去る"ロードショー 前売り1,500円 (上映時間 12:00 3:30 7:00)
ヴァンダの部屋
 

2000年/ポルトガル=ドイツ=フランス
1:1.66/カラー/ドルビーSR/178分
監督・脚本・撮影=ペドロ・コスタ
編集=ドミニック・オーヴレイ
録音=フィリップ・モレル、マシュー・エンベール
出演=ヴァンダ・ドゥアルテ、ジタ・ドゥアルテ、レナ・ドゥアルテ、アントニオ・セメド・モレノ、パウロ・ヌネス
製作=フランシスコ・ヴィラ=ロボス、カール・バウムガートナー、アンドレス・ファエフリ

●ペドロ・コスタ Pedro Costa
1959年リスボン生まれ。リスボン大学で歴史と文学を専攻。青年時代にはロックに傾倒し、パンクロックのバンドに参加する。その後、国立映画大学に学び、アントニオ・レイスに師事。1989年長編劇映画『血』を発表後はプロデューサー、パウロ・ブランコのもとで『溶岩の家』(1994)、『骨』(1997)を発表。ポルトガルを代表する映画監督として世界的に注目される。
フィルモグラフィー
1984年 Caratas a julia(ジュリアへの手紙)短編
1989年『血』O Sangue
ヴェネチア国際映画祭出品、ロッテルダム映画祭出品
1994年 Casa de Lava(溶岩の家)
カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品
テサロニキ映画祭 最優秀芸術貢献賞
ベルフォール映画祭 最優秀外国映画賞
1997年 『骨』Ossos
ヴェネチア国際映画祭出品
2000年『ヴァンダの部屋』No Quarto da Vanda
ロカルノ国際映画祭 青年批評家賞/スペシャルメンション受賞
山形国際ドキュメンタリー映画祭 最優秀賞/国際批評家連盟賞受賞
フランス文化賞 最優秀外国映画作家選出
2001年 Daniele Huillet,Jean-Marie Straub Cineastes-Ou Git Votre Sourire Enfoui?(ダニエル・ユイレ/ジャン=マリー・ストローブ 映画作家の微笑みはどこに?)
ヴェネチア国際映画祭出品
ヴァンダの部屋
※上記の時間に繰り返し上映しています。
受付
無料(『ヴァンダの部屋』前売り券の半券、シアター・イメージフォーラムの入場券の半券があれば入場できます。)

■上映作品
ヴァンダの部屋
ビデオ・インスタレーション
/2000-03年/60分(ループ上映)
作品提供:シネマトリックス
協力:(財)デジタルコンテンツ協会
   「みんなのムービー」プロジェクト