国内外の映像アート作品の上映、レクチャーを定期開催。古典的名作 から、最新の実験映画まで

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2004/11/28,12/5

IF付属映像研究所 第27期 選抜作品集
今年の3月に開催されたIF付属映像研究所第27期卒業制作展より、セレクトされた作品集。国外映画祭招待作品や国内映画祭受賞作品も含む、2004年の映像の発見!!

最後の鏡●「子供の頃の記憶で鮮明に覚えているのが、母親の、ふとした表情だった。子供の頃はそれが酷く恐かったり、母親の分迄悲しくなったりしていた。決まってそんな時は、自分の隠れ場とばかりに、浴槽へ逃げ隠れ、ここではない何処かへ行きたい、と思った。子供の頃は浴槽へ逃げ出し、大人になり鏡に写し出される雲の世界へと逃げ出す。最後の鏡を並べ終わり、寝そべってみたら、自分でも覚えていない、母親の別の姿が写し出される。(山崎可以)
ウッディ・アレンの足●・・・くたくたのセーターに毛玉がついているので なんとなく むしりとってまるめていると いつのまにか ちょっとした 作品 に なり ました。(八ツ田千穂)
ワイルドホーシズ●"アグセン氏病"という奇病に患され、自らを隔離したものたちの島 "アイランド" そこに住む "とうさん"と呼ばれる女。暴走する権力者に送られた、遠い弱者からのシ者。変貌していく肉体と、崩壊していく精神。不確実なアイデンティティーの内の僅かな拠り所であるタマシイの存在。男の目前で手をつなぐ女達‥観る者は不快を訴えるかもしれない。が、映像の中の性役割の振り子を、一度、大きく逆に振ってみたかった。(ヤジマチサト士)
Eyes: a View●以前は油彩で白を追求しており、アニメーションではそれとは対局にある色彩の世界での表現を試みました。男性が巡らせる女性への一瞬の妄想を描いています。(草柳裕子)
犬日写真●主人公がかぶっているカンカン帽は衣装の人が相当探し歩いたみたいです。冬ですから。冬だけど主人公は真夏の格好です。他出演者は冬の格好なのに。「僕」だけガタガタ震えて、そんな夢みたいな氷屋で働く「僕」の話です。お話あるかふわふわ飛びますが。氷屋の旗や路面電車の地面とか!美術!!たくさんの人に協力してもらった。氷屋の旗が今日も何処かの街角でなびいている。覗いて氷の暖かみを確認して下さい。きっとチメタイ。(松永康一朗)
ホットケーキの上のアイスクリーム●焼きたてのホットケーキの上でアイスクリームが溶け出す様をじっと見ていたら、アイスクリームの下から白い山羊が顔を出した。「すべてが溶け終わる前に幸福になれると思っているのかい?」仕事を辞め、恋人の部屋で暮らし始めた「私」のある日の浮遊、落下。(アラモミマリコ)
つぶつぶのひび●いきます。実は、風俗の仕事をしていたり、飛行機を操縦したりしているのは、私かもしれないなぁなんて、他人の人生に自分をちょっと置き換えることで、つまらない毎日から一時逃避するのでした。「余白の美」という言葉があるけれど、誰かの人生の余白に魅力を感じ、何故だか目を向けてしまうのは、やはり美しく楽しげに見えてしまうからなのでしょうか。(大木千恵子)
東京毬藻●近年、「夢がある人はよくて、夢がない人はダメ」みたいな風潮があり、夢を目指して生きる上で悩み迷う若者たちがいる。しかし、こういう時代が生み出したのは、難しい夢を目指す若者を多く生み出したことよりも、夢がないために劣等感を感じ、無理に夢を探そうとして、もがき苦しむ若者を生み出した。そんな若者が生きる意味とは?(榎本健太郎)
ずっと一緒に・・・●異常と正常は紙一重。誰でも自分の中に自分以外の人の声を感じ、自分の行動をその声の所為にして、人は日々戯れる。不純の中でしか純粋は見出せない。恋に焦がれると人はそんな自分を愛しく思う?恋している人は狂っている。ひとりよがりで、他人から見ると恥ずかしい。所詮人は、理性や知性などという薄っぺらい皮を被った溝鼠。人の中に潜んでいる闇を表現しようと、制作に取り組みました。(岩澤実穂)
Pamu●自分の事でも、他人の事でも、知らない事を知ろうとするとき、暗い穴に指を突っ込む時に感じる、好奇心と恐怖心の入り混じったドキドキを、今でも思い出すことがあります。そんな気持を、うさぎのヌイグルミの、"Pamu"をとおして表現しました。(渡部詠子)
あるかないか●閉ざされた空間の中で、一人の男が、黒い紙を植物の形に切り抜くことを繰り返す。切り絵のアニメーションのイメージがその男の行動を追いかけるように反復する。そのような幻覚の中で彼は徐々に日常を失っていく。そして最後には、彼は首吊り自殺をする。人生には生きる価値があるかないか、黒い紙を切り抜き続けてその問いに向き合う。しかし、やがては、日常の幻想に押しつぶされて、その問いからも日常からも逃れる結論を出す。(西畠勇氣)
朽ちゆく●地球の外に宇宙が在ることは皆さんご存知の通りですが、では宇宙の外には何が在るのか?と問われて、皆さんが返す言葉を何も持ち合わせていないことを私は知っています。ここだけの話、実は宇宙の外は竹輪なのです。詳しい話は抜きにして、時間というものは竹輪の回転により齎されるので、男性諸君は是非竹輪に己の陰茎を突き刺してみましょう。信じられないかもしれませんが、何と竹輪、つまり時があなたのことを妊娠するのです。但し、条件がつきますがね。(澤居将志)
花と眼球●ねぇ、彼岸に咲く花が見えるかい?はい、見えますとも。とっても美しいね。はい、美しいですとも。とっても紅いね。はい、紅いですとも。ところで君は誰なんだい?私はあなたの左目ですが、あなたは?僕は君の右目さ。ははは。一緒じゃないか!二人で一人じゃないか!これはたまげた!はは。僕は君で、君は僕ってわけね。あなたは私で、私はあなたってわけです。いや、でも待てよ。目は二つあるのに!どうして世界は一つなんだい?(青木善三郎)
バトン風そうめん流し●日々は流れる。大きな流れの中で人間ひとりひとり、自分自身も生きている。ひとりひとり、それぞれが自分の中にルーツや想い出があり、将来への夢や生きる希望をもっているはずだ。時に流れは交錯したり、氾濫したり、淀んだりする。けれども、流れが完全に止まることはない。流れつづける。僕らひとりひとりが大きな流れをつくり、その中を生きているのだ。(中込理人)
マリコ三十騎●長く利用されてきた学生会館がある。24時間出入りが自由で、大学での大半をそこで過ごした。一方で、近年、大学内に建てられた超高層ビルに新入生が集まるようになった。大学当局の一方的な学部拡大計画により、学館はもうすぐ壊されると言われている... デジタルビデオに圧倒されている8mm映画を投影した物語。DV作品を意識して撮影し、フィルムそのものに意味を含ませる事を目的とした。(真利子哲也)
アナフィラキシー●医師との会話は、緊急入院する前と再通院のときの診断の会話を再現した。立っていることもできない私が薬の力を借りて「健康」を取り戻す。以前と同じ生活もできるはずもなく、薬を乱用した結果、心と体がまったく別物に思えてくる。「生きる気」があるのか。心はなにも決められない。「死ぬのかな」という疑問にも抵抗もなく進めた。命が軽くなったは、余命をちらつかされたからか。どこから、軽くなったのだろうか。これが病か。(遠藤秀夫)
総天然色月経図鑑●人は、外見では平静を装っているようでも、実はものすごい妄想や願望を内に秘めている事がある。その外見と内面を、通常の映像にカットバックを加える事で表現する。一見平凡なOLの隠された私生活や願望を、とくとご覧いただきたい。(岡部奏)
RO●工場は私の街に在りました。深夜、それは生きた美しい怪物に変身します。1km離れた私の家にも、その轟音はかすかに届きます。鉄を溶かす炉は赤々と燃え、閃光を放ち、煙突からは激しく蒸気が噴出する、昼間の沈黙した灰色の工場とは思えない、生き生きとした姿を私は以前からフィルムに納めたいと願っていました。さて、登場する女性は、神経症、所謂パニック障害を抱えて長い間『今』が欠落した状態です。私にとって大きなテーマである工場と神経症をこの作品で表現してみました。(コジマキエ)
女は暗闇の中から●この作品は潮の満ち干のように繰り返される月経をイメージしたものです。時に女性の生理は身を脅かすほどに激しい苦痛を伴います。下腹部の芯から凍ってしまいそうなその時間を作品として凝縮させたとき、神秘とまで謳われる女性の肉体にあるはずの力の一端が引き出されて、恐ろしくそして美しいイメージができあがるのではないかと言う思いで取り組んできました。観て頂く方にその思い入れを少しでも感じていただければ幸いです。(枝夏恵)
耽溺●料金を滞納して電気を停められたことがあります。その晩真っ暗なお風呂に入りました。いつもよりお湯がとろとろでした。境目が曖昧になっていく感じで心地良かったことをおぼえています。たぶん、そんな作品。(袴田祐介)
熱帯中華●世界は自らを支配者と勘違いした人々の偏って硬直した価値観によって覆われている。メディアとテクノロジーによる虚構が蔓延し、ことばと武力によるテロリズムが正当化された世界では、想像力は操作され統制されている。現実は誰かの妄想の一部に過ぎない。現在もそうであり、おそらく過去にもそうであったし、未来にもそうあり続ける。他人の妄想についていけない人はあきらめて嘆くか逃げるしかない。いっしょに逃げてください。(赤尾二郎)
The trains●映像と音楽の関係。普通は、音楽に合わせて映像を制作する。もしくは、映像に合わせて音楽を制作する。自分は、映像自体で音楽なるモノを作れないかと試みた(平田孝広)

ウッディ・アレンの足
ワイルドホーシズ
つぶつぶのひび
Pamu
受付(入替無)
当日900円/会員600円

上映作品
Aプログラム

最後の鏡 山崎可以/ビデオ/20分
ウッディ・アレンの足 八ツ田千穂/ビデオ/8分
ワイルドホーシズ ヤジマチサト士/8ミリ/19分
Eyes: a View
草柳裕子/ビデオ/4分
犬日写真 松永康一郎/ビデオ/25分
ホットケーキの上のアイスクリーム
 アラモミマリコ/ビデオ/10分
つぶつぶのひび 大木千恵子/ビデオ/20分

Bプログラム
東京毬藻 榎本健太郎/ビデオ/20分
ずっと一緒に・・・ 岩澤実穂/8ミリ/8分
Pamu 渡部詠子/8ミリ/3分
あるかないか 西畠勇氣/ビデオ/5分
朽ちゆく 澤居将志/ビデオ/15分
花と眼球 青木善三郎/ビデオ/20分
バトン風そうめん流し 中込理人/8ミリ/6分
マリコ三十騎 真利子哲也/8ミリ/20分

Cプログラム
アナフィラキシー 遠藤秀夫/ビデオ/15分
総天然色月経図鑑 岡部奏/ビデオ/10分
RO コジマキエ/ビデオ/14分
女は暗闇の中から 枝夏恵/ビデオ/15分
耽溺 袴田祐介/8ミリ/20分
熱帯中華 赤尾二郎/ビデオ/20分
The trains 平田孝広/ビデオ/8分

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