国内外の映像アート作品の上映、レクチャーを定期開催。古典的名作 から、最新の実験映画まで

back  next
2005/10/30,11/3,6,13
長編実験映画の快楽
このプログラムではイメージフォーラムのストックしている日本作品の中から、エポックメーキングな長編の実験映画作品を特集。劇映画ともショートフィルムとも異なる構造を持つ「特別な時間」に焦点をあてた。

作品コメント
石の詩●対象が<石>、しかもそれを<写真>で表現するという、ドキュメンタリーにとって前代未聞の枷は、たいがいの監督なら、まずムリとあきらめてしまうところだ。が、この作家は、動きのないものに動きを与えるアニメーションの方法をもって、どんなに激しく動く対象に迫った映画よりも、はるかに鋭い<動き>の感覚を作りだしたのである。動きを凍結された<写真>は、緩急自在に動くカメラの抑揚と、ほとんど軋みにまで分解されたサウンドによって、見るものを、息詰まるような緊張の中に誘いこむ。映画に対するこの作家の、怜悧な計算とコントロールがここに見事に結実している。(「松本俊夫の映画の果てしない彼方へ」かわなかのぶひろ '75松本俊夫映像回顧展カタログより)
比呂美−毛を抜く話●前の年1980に、詩人の正津勉さんを映画に撮って、若い女性詩人として売り出し中の伊藤比呂美さんをフィルムに撮っておこうと思った。そこで、比呂美さんといろいろ話しているうちに、「毛を抜くのが大好き」というので、聞くと、話の内容が生命感というところに触れてくる。それを話しているところを撮ろうと決めた。彼女は自分の毛を抜くとき、抜く自分と抜かれる自分の両方を自覚して興奮してくるという。皮膚が問題だという。撮影していて、彼女の話が立派な身体論になっているのに驚いた。導入部に、ヒカシュウの曲を借りた。制作1981年。作者、46歳。 (鈴木志郎康ウェブサイトより www.catnet.ne.jp/srys/
王国●『無人列島』を撮り終えた時点で3部作にしようと思った。製作費等の問題を含めた様々な
処で、自分達の力の無さを痛い程知らされたぼくは、続け様にあと2本の映画を創って、それ等がそれぞれの間にある一定の角度を保つ独立した作品でありながら、且つ合体したときには壮大な1本の映画にもなり得る様な3本の映画をと、考えたのである。連帯の中の個をテーマとした『無人列島』が「人の巻」なら、血から地へと辿る『GOOD-BYE』は「地の巻」、そしてこの時間と格闘する『王国』は当然「天の巻」となって、3部作で<微笑う銀河系>となる構造だ。(金井勝、「微笑う銀河系」れんが書房新社刊より) 
HEAVEN-6-BOX●『HEAVEN-6-BOX』の映像は、論理では決して解析できない霊性に満ち溢れている。大木裕之は言霊ともいうべき言葉のダブルミーニングの不思議な力を駆使し、巫女のように神秘的な映像を紡ぎあげた。観るものが、映像の力によって作者とひとつに結ばれることによってHEAVENの世界へとたゆたうこと。それが、この作品の最大の魅力と言える。(「HEAVEN-6-BOX」 カタログより)
毛髪歌劇● これが、インディーズ・フィルムだ!! これは、強烈な女を強烈に追いかける愛の物語。裏ポルノじゃないよ。歌の抑揚が物語を動かして、ドラマティックに展開するロマン主義の映画。手持ちカメラは手の延長、眼の延長、耳の延長だ。映画そのものに疑いをかけ、映画を破壊するアナーキストの 映画なのだ! フィルムに直接毛髪などを貼り付けているが、これはお客様への一種のサービスであって、他意はありません。(帯谷有理、「ヴェリズモからアシッドへ」1998上映会チラシより)
旅の繪●1985年、日本の実験映画の上映ツアーを行ったとき、旅をしながら作品を制作しようと考えた。それがこのシリーズの始まりだった。アイデンティティのない場所で何を撮るか真剣に悩んだ。TVカメラマンだった頃はそんな悩みはなかった。けれどもこの時は、個人で映画を手がけることの意味をとことん反芻した。そのあげくに生まれたのが『空の繪』(1985年版)だった。当初はもっとシンプルな構造だったが『時の繪』『夢の繪』を経て成長した。(かわなかのぶひろ、「イメージフォーラム・フェスティバル2000」カタログより)
石の詩
王国
旅の繪
受付
当日900円/会員600円/3回券2,000円

上映作品
●Aプログラム
西陣 松本俊夫/16ミリ/30分/1961
石の詩 松本俊夫/16ミリ/30分/1963

●Bプログラム
王国 金井勝/16ミリ(ビデオ版)/80分/1973

●Cプログラム
比呂美−毛を抜く話 鈴木志郎康/16ミリ/90分/1981

●Dプログラム
毛髪歌劇 帯谷有理/8ミリ/60分/1992

●Eプログラム
HEAVEN-6-BOX 大木裕之/16ミリ/60分/1995

●Fプログラム
旅の繪 かわなかのぶひろ/16ミリ/100分/1998-2000
時の繪 16ミリ/40分/1998
夢の繪 16ミリ/30分/1999
空の繪 16ミリ/30分/2000

 

  • イメージフォーラムtwitter
  • イメージフォーラムFacebook
  • IFF
  • イメージフォーラム映像研究所
  • >