国内外の映像アート作品の上映、レクチャーを定期開催。古典的名作 から、最新の実験映画まで

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2006/4/1,2,8,9
頭の中の人の裏声 坪田義史 映像個展

HACK&BUILD 電波と造形
「処女作に作家の全てが含まれている」とは巷間よくいわれるが、坪田義史の9年前の作品『耳プール』を見てなるほど頷ける。TV番組の演出や映画の美術監督を生業とする現在も変わらない、彼の、画面のそこかしこに現れる粗雑でキッチュな「裏モノ」の美が既に現れている。猛々しいのに、何故か乾いたユーモアさえ感じる男どもの不格好な肉塊やヘンテコなオブジェが印象的だ。さらに、これらがラジオ・コントロールされているのも興味深い。というのも、後の『ラジオライフ』や『でかいメガネ』『夜明け』につながる”電波”のモチーフに直結しているからである。盗聴や傍受、ハッキングの突き刺すような快感、おどろおどろしいワイドショーや実録物の放送メディア、理想/妄想がないまぜになった市井の電波系キャラ、ノイズ・ミュージック... 今回は実質的な処女作から、近年の長編ドラマ作品までを通底する怪しい電波を傍受してみようとするプログラム。最終日には現在の渋谷を飛び交っている不吉な電波と干渉させるべく、サウンドアーティスト達によるライブサウンド版も上映する。(澤隆志)

作者コメントremix
このところ仕事部屋で、男の妄想を最大限に駆使してグラビアDVDの構成台本を書いたり、南国で撮影した女体画像を編集していると夕方くらいから無性に釣りがしたくなり、気づいたらチャリに股がって一時間くらいペダルを漕いで辿り着く無人の夜の港で2時間釣り糸を垂らす。というのが生活のパターンとなっています。平日の誰もいない港で魚に気配を気づかれないようにもの静かに釣りをしていると自分の内面に意識が向かうのか、日々の個人的な反省をしだし、性格がどんどん暗くなっていってる気がします。
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夜の無人の港でケータイが電波を受信して光った。
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頭の中で考えが暴れ出しそうです。
どでかい貨物船のシルエットが目の前に突然現れて、びっくりして手からこぼれ落ちた、釣り餌がコンクリの上でのたうちまわる光景。何かがどこかで、うごめいている夜が好きなんです。夜をイク感じというか、逝く感じというか、チャリで、行くんですけども。港に。どこかで、誰かが、何かを盗んで、別名で保存してるんだろ。どうせ。
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昨晩、その誰もいなくて魚もよく釣れる秘密の釣り場に、エロ本が落ちていて、手に取りパラパラ捲ると、人妻が昼のラブホで尻を突き出した写真やメガネを掛けた女子大生が路上で胸を露出する写真などに妙に興奮した。誰もいないし、この歳で、自慰行為に耽いって、恍惚の表情を浮かべ、海に向かって射精するのが真の作家なのか?と一瞬考えたが止めた。誰もいない夜の港の岸壁にわざわざこうして一人通うのは、誰かに会いたい衝動の裏返しなのか?釣りとエロス。今度そういうシーンをカメラで撮ればいいやとこれまた妙に納得して釣りを再開した。頭上のかなり近距離をジャンボジェット機がもの凄い轟音とともに夜空を通過して対岸の飛行場に着陸した。
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これからも、何事も諦めない姿勢で、「暴く」スタイルを模索していきます。

坪田義史●1975年生まれ。多摩美術大学卒。在学中に制作した映画『でかいメガネ』がイメージフォーラム・フェスティバル2000一般公募部門で大賞受賞。2002年、イメージフォーラム・フェスティバル制作助成作品『夜明け』を制作、公開。他に映画『月ときゃべつ』篠原哲雄監督作品に美術助手として参加後、『いたいふたり』『惨劇館夢子』にて美術監督をつとめる。またミュージッククリップやTV番組、アイドルDVDの演出を手掛けている。
耳プール
夜明け
※1 4/1,4/8 5:00の回終了後、作家の短いトークがあります。半券で参加できます。
※2 4/9の上映では特別なサウンドトラックで上映します。Aプログラムは福田真作(サウンドアーティスト)、Cプログラムはモリケン( FM番組「ソラリスアワー」プロデューサー)によるライブミックス版。作品のオリジナルサウンドが、当日の渋谷で上書きされます。

<受付>
当日900円/会員600円/3回券2000円

<上映作品>
●Aプログラム
耳プール ビデオ/11分/1997
ラジオライフ -夜空のムコウ- ビデオ/50分/1999

●Bプログラム
でかいメガネ 8ミリ/72分/2000
イメージフォーラム・フェスティバル2000一般公募部門大賞

●Cプログラム
夜明け ビデオ/70分/2002
イメージフォーラム・フェスティバル2000制作助成作品

以上全て坪田義史作品

 

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