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No.986 ランドスケープと漂う思い
landscapes and a floating mind
2016 3/25 Fri

    会場

  • イメージフォーラム3F「寺山修司」
    東京都渋谷区渋谷2-10-2
    TEL. 03-5766-0116

    当日受付

  • 入場料:一般700円 会員500円


タイムテーブル

日付 3/25
19:00



  • A Uniform Drama

    ユニフォーム・ドラマ

  • Despedida

    告別

  • California Picture Book

    カリフォルニア・ピクチャー・ブック

  • Watercolor

    水彩

  • Pedres

    岩石

  • Long Way From Home

    ロングウェイ・フロム・ホーム

  • Snowbirds

    スノウバード

  • SCANSION

    SCANSION


近年、海外の実験映画シーンで話題になりながらも、未だ日本で紹介されていない作品を上映する。2014年のシネマテークNO.969「見慣れた場面/奇妙な空間 アメリカ実験映画の今」に続き、海外実験映画に精通する西川智也(映像作家/キュレーター、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校助教授)がプログラムを選定。上映後にティーチ・インを予定。

上映プログラム(8作品74分)

ユニフォーム・ドラマ 虎岩彩/15分/2014/イギリス
告別 アレクサンドラ・クエスタ/10分/2013/アメリカ
カリフォルニア・ピクチャー・ブック ザック・イアナツィ/12.5分/2013/アメリカ
水彩 ヴァンサン・グレニエ/13分/2013/アメリカ
岩石 ルイス・ド・ソラ/3分/2014/スペイン
ロングウェイ・フロム・ホーム ステファン・グラボウスキ/3分/2013/アメリカ
スノウバード ロレンゾ・ガットーナ、8.5分/2015/アメリカ
SCANSION マーガレット・ロリソン、9分/2012/アメリカ




ユニフォーム・ドラマ 虎岩彩/15分/2014/イギリス

A Uniform Drama (Aya Toraiwa, 15 min., sound, 2014, UK)

望遠レンズによるクロースアップ映像は、私たちの周りにあふれる色、テクスチャ、そして他人/作家の視線を映し出す。そして、手持ちカメラの緩やかな動きと心地いいサウンドとともに、レンズ越しに見ることができる不思議な現象を作り出す。



告別 アレクサンドラ・クエスタ/10分/2013/アメリカ

Despedida (Farewell) (Alexandra Cuesta, 10 min., sound, 2013, USA)

ヒスパニック/ラテン系が多く住むロサンゼルスのボイルハイツ地区で繰り返される日常風景と、この地域で活動する詩人マプコール・ロジャー・エンデュクが朗読する姿によって構成された作品。カメラに向けられた子供たちの視線は強く、夕暮れの光は街を包み、エンデュクの詩は、作家がこの地域と決別する思いを表している。



カリフォルニア・ピクチャー・ブック ザック・イアナツィ/12.5分/2013/アメリカ

California Picture Book (Zach Iannazzi, 12.5 min., silent, 2013, USA)

デジタルでしか映像制作をやってこなかった私には、フィルムは既に映画のメタファーだ。レーファウンドフッテージ映像と作家が撮影した映像によって、カリフォルニアを照らす光と影、静寂と喧騒を描き出す。作品は、他にも平面と立体、静止と運動、モノクロとカラーといった対比する被写体を写したロング・テイクで構成されている。



水彩 ヴァンサン・グレニエ/13分/2013/アメリカ

Watercolor (Vincent Grenier, 13 min., sound, 2013, USA)

止まることなく流れる川面に反転して映し出されるフレーム外の風景。その様子は、緻密なデジタル編集/加工によってスクリーンの隅々まで複雑に変化し、普段は気にもしない平凡な現象を興味深い映像へと変える。



岩石 ルイス・ド・ソラ/3分/2014/スペイン

Pedres (Lluís de Sola, 3 min., sound, 2014, Spain)

自家現像によって傷ついたフィルムと、被写体である岩の質感を映し出す白黒映像によって構成された作品。フィルムは、撮影地の浜辺ですくった海水を混ぜた現像液によって現像され、市販の停止剤を使う代わりにフィルムをその浜辺に浸すことによって完成されている。



ロングウェイ・フロム・ホーム ステファン・グラボウスキ/3分/2013/アメリカ

Long Way From Home (Stefan Grabowski, 3 min., sound, 2013, USA)

ローリングシャッター効果によって斜めに切り取られた映像は、スピードを緩めることなく、上から下へ、光から影へとその視線を移しながら、目的地を探し続ける。



スノウバード ロレンゾ・ガトーナ/8.5分/2015/アメリカ

Snowbirds (Lorenzo Gattorna, 8.5 min., sound, 2015, USA)

カメラは森を抜け、浜辺に向かい、豊かな自然を映し出す。人の姿はなく、遠く聞こえる飛行物のサウンドと浜辺に建つ未来的建築物は、文明崩壊後の世界を想像させる。



SCANSION マーガレット・ロリソン、9分/2012/アメリカ

SCANSION (Margaret Rorison, 9 min., sound, 2012, USA)

メリーランド州ボルチモアで撮影された作品。人気のない街にも風は吹き、その様子は刻一刻と変わっていく。繰り返し映し出される被写体は、解決手段が見つからないアメリカの地方都市が抱える経済/社会的問題を暗示する。