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2004/11/14,11/21
戦争とプロパガンダ
戦時においては、映画もまた間接的な兵器となる。欧米、日本で実際に上映されたプロパガンダ映画の特集上映。我々は誰の視線を通じて、何を信じようとしているのか?

作品コメント
サン・ピエトロの戦い●ジョン・ヒューストン監督が見たイタリア戦線の過酷な実態。ヒューストンが陸軍通信隊のために作った二本目の作品。1944年に製作を完了していたにもかかわらず、様々な事情で1945年の戦争終結1ヶ月前まで公開が見送られた。
戦争とスポーツ●「戦いには勝たねばならない。そのため戦時スポーツの目的は、当然国防的目的に統一されねばならない。この理念こそ独逸国防スポーツにかくも目覚ましい成果をもたらしたのだ。ここには若人の感激が裏付けられている。」国防体育のあり方を描いた独逸国防省のプロパガンダ映画。日本語版。
御稜威に副はん●「起て一系の大君を 光と永久に戴きて 臣民我等皆共に 御稜威に副はん大使命 往け八紘を宇となし 四海の人を導きて 正しき平和をうち建てん 理想は花と咲き薫る」という歌詞でお馴染み「愛国行進曲」に見送られて満蒙開拓に旅立った義勇軍の活動を描く拓務省製作の国策映画。なお御稜威(みいつ)は天皇の威光、権力。
意志の勝利●1934年のニュルンベルクでのナチス党大会の記録映画。当時32歳だったレ二・リーフェンシュタールのもとにアドルフ・ヒトラーから直接依頼があったという。16人の一流カメラマンを含む120人の技術者、30台のカメラと22台の自動車が割り当てられ、空前の規模で製作された。
我らの兵器・戦車●「轟々、地軸を揺がせて敵陣に猛進する近代戦の花形荒獅子・・戦車! 工員の栄誉の緊張裡に続々製作せられ行くその威容。近代兵器への正しい知識を得て、国の護りに対する信頼を一段と深くする。」陸軍省報道部後援、陸軍兵器本部指導により大宅壮一が製作した「我らの兵器」シリーズの一篇。
航空基地●北支の◯◯航空基地を中心に中原作戦に参加し大戦果を収めたわが陸鷲部隊の奮戦記録。昭和16年9月20日の第二回航空記念日を目指し、3名のカメラマンが約1ヶ月決死的撮影を敢行した実戦記録映画。音楽は「空の神兵」の高木東六。なお◯◯航空基地は伏字のため場所不詳。
マー坊の落下傘部隊●マー坊少年はパラシュートで投下する新型兵器を開発。パラシュートにつるした親爆弾から子爆弾が飛散して爆発する新型爆弾を駆使して見事敵軍を降服させた。当時人気の漫画映画「マー坊」シリーズの一篇。アニメーションも国策の一翼を担った。
<資料・作品提供 プラネット映画資料図書館>
我らの兵器・戦車
受付(入替制)
当日900円/会員600円/3回券2000円

■上映作品
プログラムA: 国策映画
サン・ピエトロの戦い
ジョン・ヒューストン/32分/16ミリ版/
アメリカ/1945
戦争とスポーツ
ハンス・ウィルヘルム/30分/16ミリ版/ドイツ/1942
御稜威に副はん 30分/16ミリ版/日本/1938

プログラムB: ナチスの信念
意志の勝利
レニ・リーフェンシュタール/120分/16ミリ版/
ドイツ/1935

プログラムC: 我らの兵器
我らの兵器・戦車
安積幸二/15分/16ミリ版/日本/1941
航空基地 72分/16ミリ版/日本/1941
マー坊の落下傘部隊
佐藤吟二郎/13分/16ミリ版/日本/1943