国内外の映像アート作品の上映、レクチャーを定期開催。古典的名作 から、最新の実験映画まで

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2006/1/22,29
目には目を
アルトゥール・ジミェフスキ作品展
イメージフォーラム・フェスティバル2005で上映され、話題を呼んだポーランド出身の現代美術家アルトゥール・ジミェフスキ(ズミエフスキとも表記)による代表的なビデオ作品の特集プログラム。彼の作品に登場する人物は障がい者や病人等、特殊な状況下におかれていることが多い。主にドキュメンタリー映像の手法をとって、時に冷徹なまでの姿勢でヒューマニティの負の部分をも主題化する映像作品を次々と手がける気鋭のアーティストである。今回はフェスティバルで上映した短編4作と、東京都現代美術館で開催される「転換期の作法 ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術」展(2006年1月21日_3月26日まで)で展示上映される新作『繰り返し/REPETITION』をカップリングした。

KR WP●元兵隊であった人たちが、マーチを歌いながら精確に行進する。日常は制服を着ている彼らも、一度制服を脱げば只の人間であるという事を愉快に提示している。
目には目を●この作品では障がい者と健常者を描写している。健常者の女性が障がい者の男性が体を洗う手助けをする。2人の人間が一体となって階段を上がる。
私とAIDS●他人同士の二人が肉体的に接触する時、AIDSは無視できない存在となる。という事を寓意的に描く。それぞれに与えられた誘惑が、悲劇的な結果を生み得る。
おでかけ●「これは失敗についての作品だ。奇跡は起きず。ラザロは生き返らない。体を支える男が完全に疲れきり、彼らの不自由な体を車椅子に据えると、彼らはたちまち不動の状態に戻ってしまう。」(ジミェフスキ)
繰り返し/REPETITION●第51回ヴェニス・ビエンナーレ、ポーランド館にて発表された問題作《繰り返し/REPETITION》は、1971年にカリフォルニアのスタンフォード大学で行われた「監獄実験」を、文字通り再演したドキュメンタリーである。(近年ではドイツの劇映画『es』でとりあげられた)社会心理学の分野では有名な、フィリップ・ジンバルドー教授によるこの実験は、有志の被験者を「囚人」役と「看守」役に振り分け、模擬監獄の中でそれぞれの役割を演じさせるというもの。人がいかに与えられた状況と役割に適応し行動するかについての検証を目的に2週間の予定で始められた実験は、当初から「看守」役による加虐的な行動が進み、多くの被験者が精神的なダメージを負い危険な状態に至ったため、6日で中断を余儀なくされた。近年には、アメリカ軍による捕虜虐待をめぐる裁判において弁護側の例証としてもあげられ新たな物議を醸しているこの実験について、その手法の正当性や研究成果の妥当性をめぐり、未だに評価は分かれているという。ジミェフスキは、ワルシャワ郊外でこの「実験」を再び繰り返し、4台の人の手によるカメラと監視カメラ5台により記録されたその過程を秀逸な編集により提示する。時と場所を変えて繰り返された実験は同じ結果に終わるのか。
本作品は、科学の名の下に人を測る「実験」の信頼性を批評し、論理がいかに脆く、解釈がいかに恣意的であるかを示唆する、複雑でそれゆえに意欲的な試みである。それはまた、世界を極端に単純化し矮小化する流れに抗う、芸術による「実験」でもある。(岡村恵子/東京都現代美術館)
繰り返し
おでかけ
<受付>
一般900円/会員600円

<上映作品>
KR WP ビデオ/8分/2000
目には目を ビデオ/10分/1998
私とAIDS ビデオ/4分/1996
おでかけ ビデオ/9分/2001
繰り返し/REPETITION ビデオ/39分/2005
※以上すべてアルトゥール・ジミェフスキ作品

企画協力:東京都現代美術館
※「転換期の作法」展チケット半券提示により本上映を会員料金にて鑑賞いただけます。
※本上映の鑑賞チケット半券提示により「転換期の作法」展を団体割引料金(当日一般1000円→800円/学生800円→660円/中高生・65才以上500円→400円)にてご観覧いただけます。

 

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