映像作家への第1歩
多くの映像作家を輩出してきたイメージフォーラム映像研究所の2025年度(第49期)卒業制作展。
今年は映像アートコース、アニメーションコース、専科コース合わせて32作品を6プログラムで上映。
1年を通じて築かれたイメージが鮮やかに結実する、映像作家への第1歩。
上映プログラム
ハトにあいさつしろ ユラユラ人類学 / 2分 / 2026年〈アニメ〉
2xxx.8.xx 地球のどこかに届いた ハトからのメッセージ。(Y)
川口の手触り 水井洸晟 / 6分 / 2026年〈映像〉
川口を引っ越すことになった。これは私が川口に触れている時の感覚を残そうとした個人的な記録。(M.K)
魔女の庭 MIAO JUAN / 17分 / 2026年〈映像〉
中国の都市開発政策のもと、叔母の家は同意なく地方政府に強制撤去され、補償は未解決のままだ。本作は、うつ病を抱える妹の視点から幻想と記録映像を交差させ、都市化の中で揺らぐ個人と家族の記憶を描く実験ドキュメンタリー。(M.J)
アスパシュタ(※原題はネパール語表記) ao / 6分 / 2026年〈映像〉
いつだって私たちは何かを思い出している
無意識の中で自身の投影された世界は、私たちの周りをただよい、まとわり、戸惑わせる
見るという行為に内在する混乱
曖昧で不確かな虚構
何が現実で何が意識の周縁なのか
わたしたちはなにをみているか (A)
痕跡 渡辺万由 / 7分 / 2026年〈映像〉
私たちは 母のことを あまり知らない(W.M)
絲と太陽 青戸健司 / 36分 / 2026年〈映像〉
清野賀子の写真集「THE SIGN OF LIFE」がたまらなく好きだ。静謐な空気が漂う、名もなき風景たち。巻末の作品リストには県名だけがヒントのように記されている。私はリストを頼りに彼女が見たかもしれない景色を追った。(A.K)
かじかむ窓の夢 高橋駿 / 15分 / 2026年〈映像〉
世界と対峙したい。手掛かりがない。なにもかもが茫漠としている。そんなとき、ひとつの窓を作る。すると、なぜだろう、自由を得た気がした。呼吸ができる。その窓こそ、僕にとっての映画だった。僕らが映画に夢見たように、映画もまた僕らを夢見ただろうか?(T.S)
トゥフトゥフトゥフ 祥子 / 8分 / 2026年〈映像〉
祈りだけが、心めがけて走ってゆけるのです。(S)
iro-iro-ch いろいろチャンネル Kopolca / 4分 / 2026年〈アニメ〉
いつかどこかの世界で、テレビをじっと見る
いろいろあるチャンネル
昔ヒトはTele-Vision 遠く離れた幻影を見た
いや、そう深い意味はないけど、浅い意味とリズムを探して(K)
Drawn ネメスリヨ / 15分 / 2026年〈映像〉
ぼやけた映像の動きから、少しずつ目の前の像が立ち上がる。迷うように行き来する焦点と、動かない像。カメラのオートフォーカスからなるその視線のもとで、時間だけが確かに進んでいく。(N.R)
カンチ 土屋壮太 / 13分 / 2026年〈映像〉
人はなぜ風景を撮影するのだろうか。反復されるシャッター音と共に、風景構成法的な安堵を覚えるのだろうか。人がカメラを置くのは、ある種の病的な撮影欲求が完治した時なのかも知れない。(T.S)
正弦波 張緑 / 29分 / 2026年〈映像〉
東京で働く華人の南は、ある日突然、聴覚を失う。短い聴覚消失のあと、世界は正弦波のように揺れ、彼女の夢は偶然、他者と共振する。夢の中で二人の少年は緑の滝を探し続け、その波はやがて現実に滲み、最後のパーティーで出会う。ポストコロナ時代、移民として生き、不確かな時代の波が交錯する物語。(Z.L)
応答直前 トウ ファンフェイ / 12分 / 2026年〈映像〉
悩みに応えてくれるはずのロボットに向き合う。
だが応答が届く直前、彼女の本音はすでに消えていた。
触れられない心の間に、
ただ沈黙だけが静かに横たわる。(D.F)
変質 すずきむねはる / 1分 / 2026年〈アニメ〉
本来栄養であるはずのものが異物へと転じる感覚を描く。イメージは不可逆的に変形し、境界は崩れ、やがて身体そのものが異質なものへと変わっていく過程を映し出す。(S.M)
眠る眼 宮川 卓也 / 12分 / 2026年〈映像〉
シミュレーションの全面化した世界は生成AIによって加速する。漂う記号と張り巡らされるニューロンの間の即時的・反射的な相互作用のなかで、私たちはどこまで主体的でいられるのだろうか。視線追跡による眼球運動の振動とともに映し出す実験映像。(M.T)
[東京人間] 伊藤誠 / 28分 / 2026年〈映像〉
僕はカオスから生じた。
世界最大都市圏東京で、私たちはどこへ向かうのだろう。
もはや街の騒音にも、歴史が歩く音にも、どこかへの声にも、
居住地は無くなった。
光の奇跡を信じて探求する。
やがて天へ彷徨った果てに、再びこの地に在り処を創ってゆく。(I.M)
膜のようなもの Mahiro Hara / 25分 / 2026年〈映像〉
どこでもない都市の工事現場。向こう側を隠す仮囲いと騒音。「そのこと」について語ることができないクローゼットな肌について。(M.H)
暴力のバイナリ viewscaper / 15分 / 2026年〈専科〉
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in love かないりょうすけ / 9分 / 2026年〈専科〉
あなたが私の声を聞くまで 祐 / 9分 / 2026年〈専科〉
躊躇い迷い反芻し、うわっと出るのが声である。声を視覚的に表すメタファーとして、水の在り方を考えた。(Y)
白紙 遠藤 大致 / 50分 / 2026年〈専科〉
僕は作品を作る中でひとつの転換を迎えていると思います。自分自身の問題から物語へ視線が変化していく。その終わりと始まりとして別の2作品「はらんにゃ」と「天使拾った」を上映します。(E.D)
密かな気体 藤田 絵梨子 / 14分 / 2026年〈専科〉
身体の中ではいつだって気体が漂ったり、渦巻いたり、通り過ぎたりしている。邪魔をしてくることも少しだけ寄り添ってくれることもある。
ある夜、くよくよと考え込みなかなか寝つけなくなった。そんなときも気体はしつこくここにいる。(F.E)
君死に給うことなかれ ー Voices YOKO HIROSE / 8分 / 2026年〈専科〉
この詩は、120年前に日本の歌人、与謝野晶子が、
戦場の弟に書いたものです。
今、世界では戦争で毎日のように夥しい数の若者が死んでいきます。
「死なないで・・・」
声にならない声、届かなかった祈り、
この作品は人間が大切な人の命を思う声の記録です。(Y.H)
鳥は島では 吉川日奈子 / 10分 / 2026年〈専科〉
何を見ていて、どう見ているの。世界と関わる回路の断片 (K.H)
劇場への招待(蝶を夢むエンディングクレジット) 蝶子 / 6分 / 2026年〈専科〉
桃色のお魚のウイちゃんのもとに、柳の葉に書かれた、一通の舞台の招待状が届いた。
差し出し人は、愛しの黄色い魔法使いの蝶のキラ君だ。
葉には、舞台演目、日時、場所、席の記載も。(C)
私/声/あなた 綿貫孝哉 / 10分 / 2026年〈専科〉
詩誌の友人らの朗読を撮影する。詩文と朗読する声、身体の間に、記録映像の虚構性を探る。声と声は重なり合い、現実と虚構の境界を揺るがす。(W.T)
魂の濁り 田中 永峰 良佑 / 60分 / 2026年〈専科〉
2023年から同地域の介護職員としても働き始め、今この町とこの身体に居続ける魂に触れたいと思った。(T.R)
Steps ただあるくそれだけ つもりまいこ / 11分 / 2026年〈専科〉
映像という表現の中でいったい何が伝えられるのだろう。そこにどんな意味があるのだろう。でもきっとその先に。わたしの心の一片が少しでもあなたに届いたら、次へつながるピリオド. ステップをください。(T.M)
蛇の髭(ジャノヒゲ) 野原由香利 / 8分 / 2026年〈専科〉
13歳。時間は流れることなく、温かく柔らかに漂っていた。わたしの部屋には魔法があった。空想があり、奇跡があった。部屋はいつだって宇宙と繋がっていた。
遠くから呼ぶ声がする。蛇の髭に会おうと、わたしは歩き出した。夏の朝早く、草のなかでわたしは青い実を産んだ。(N.Y)
ゆらゆら Ririko Utsunomiya / 1分 / 2026年〈専科〉
時間とともに重力が向きを変える世界。思い通りにいかない毎日の中で、住人たちは、この世界ならではの暮らしを楽しんでいる。(R.U)
窓越しに一対の翼を見下ろした Yongha James Hwang / 15分 / 2026年〈専科〉
ミャンマーの友人たちと公園で一日を過ごす。
彼らは故郷に戻れず、私はいつも翼を持ちたいと願っていた。
象の鼻のように、両腕や両脚から解き放たれる圧倒的な安堵を求めていた。
私たちは翼ではなく、羽のように一日を過ごす。
私は世界をかすかに見つめる。(Y.H)
もうひとりのわたしに宛て 松井 ゆきの / 71分 / 2026年〈専科〉
I章: 生まれ育った新宿に愛着が湧かない私は街と自身にカメラを向けた。(15 min)
II章: 26歳のおわり、憂鬱な裂け目から脱出し、世界との関係に自らをさらす。ベトナムの都市をさまようカメラは、今この瞬間を刻む呼吸へと変わる。(56 min) (M.Y)
映像:映像アートコース
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専科:専科コース
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イメージフォーラム映像研究所は、1972年以来イメージフォーラムが実施してきた定期上映、配給などの活動を発展させる形で、映像作家が次世代の映像作家を育てるというコンセプトのもと1977年に設立されました。ワークショップの根幹となる作品講評では、常識にとらわれない自由な発想を重視。50年にわたり受講生の個性を活かしたオリジナリティあふれる作品が生み出されてきました。詳細は下記webサイトをご覧ください。
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